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ロッシーニ:歌劇《チェネレントラ》@新国立劇場
出演:【ドン・ラミーロ】アントニーノ・シラグーザ 【ダンディーニ】ロベルト・デ・カンディア 【ドン・マニフィコ】ブルーノ・デ・シモーネ 【アンジェリーナ】ヴェッセリーナ・カサロヴァ 【アリドーロ】ギュンター・グロイスベック 【クロリンダ】幸田 浩子 【ティーズベ】清水 華澄 【指 揮】デイヴィッド・サイラス 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 【演出・美術・衣裳】ジャン=ピエール・ポネル 【再演演出】グリシャ・アサガロフ

 カサロヴァが新国立劇場に来るので、行って来ました。ブルガリアの名花カサロヴァに、世界のロッシーニ歌いを集めての今月の新国立劇場です。
 すごい~。すごいよ、カサロヴァ。公演2日目のこの日は、ブラヴォーの嵐でした。正直いってこれまで行ったLiveの中で、最もブラヴォーが飛び交った公演だったかもしれません。
 オペラ・チェネレントラでは、オリジナルのシンデレラがより人間的なストーリーとなり、魔法使いが王子の教育係である哲学者に、継母がまま父に、ガラスの靴が腕輪になっています。設定が似ている映画に、ドリュー・バリモア主演の『エバー・アフター』があります。予習はバルトリのCDと、本人のCDで聴いていきました。
 舞台や衣装はオーソドックスなもので、安心して見れました。演出もシンプルで、重唱も多く超絶技巧のオペラでは、この方が歌手が歌に専念できるような気がします。自分の中では、外見や演出や演奏は、歌や物語の本質を邪魔しない限りよいという程度の寛大な基準です。
 とくにすばらしかったのは、主役二人とドン・マニフィコ。て、この3キャスト、CDと同じなのですね。
 歌に演技にとても健闘していた日本人歌手の姉たち二人ですが、声が明るく、意地悪な姉のイメージはあまりなく。例えば、「チェネレントラ、やめなさい、いつものその歌は」というパートにはもっと迫力あるものを想像していました。三枚目的に過ぎると、ひたすら品の悪いキャラに見えてしまう恐れがあり、傲慢で卑しいキャラとはいっても、もう少し陰険で虚栄心が強くそれ故に若干色気があるような役作りにしてみても面白かったかも。イメージとしては、前述の『エバー・アフター』の長女みたいな。
 ドン・ラミロのシラグーザは、予想どおり、少し線が細いというか、よく通る声で、外見はともかく(ちょっと横に長い?)、こうあってほしいという王子像を築き上げてくれたと思います。少し細い声のせいか、上品に聴こえるのですね。アリアの歌いだしのパートなど、弱めにゆったり歌っており(4F席まで響きました)、うっとりさせます。ラストもばっちりきめてくれました。アンコールもありました!次に歌うダンディーニが苦笑気味で、会場から応援の拍手?をもらっていました。なんたって次のセリフが、「もうお役御免か。」ですから!
 そしてカサロヴァですが、世界的に有名なのは伊達ではないのだな!と実感しました。アジリタなど素人耳目には難なくこなし見事でしたし、CDで聴く限りではド迫力の低音(芳醇な低音、陰影のある歌い口ともいう)を気に入っていましたが、Liveでは低音よりも中音域から高音域にかけてすばらしく深くいい声と感じました。苦境に耐え、最後には「王座にふさわしくありたい」と言うアンジェリーナ。音楽にのせた感情表現の発露がオペラのよさと思っていましたが、キャラや人生も語れるのですね。それに、舞台姿が、なんかかっこいい!今回はけなげな娘の役で、全然ズボン役(男装の麗人)ではないのですが。題名も、「チェネレントラ(シンデレラ)、または勝利する善意」ですから、凛としたアンジェリーナもよいです。
 今回は4F席から、双眼鏡大活躍状態で見たのですが、ときおり顔を上げてくれるので、こちらを向いて歌ってくれている感じがしました。目線配分なども含めて、演技もどこをとっても神経が行き届いているように見えました。
 アンジェリーナの役作りについては、フィナーレの大アリアの歌詞を読むと、対訳のせいか、けっこう強い性格なのかな、とも思えてきます。「皆を許すことが私の復讐です(新国の字幕では、「私の仕返しは・・・許すことです。」と若干やわらかめになっていました。)。」とか、「(姉たちを抱きしめながら)なぜ震えてなど、なぜ?私の胸に飛び来てください。」とか。苦しめた相手にこれ言われたら怖いですよね・・・このキャラにカサロヴァのド迫力の低音がすごく合っているのではないかと予想しましたが、Liveでは低音以外にもよさを感じたことで怖いというより不幸を乗り越える強さとラミロを射止める魅力がストレートに伝わってきました。それにしてもCDできくと、なんであんなにドスがきいて・・・いや、陰影のある歌い口なのだろう。
 カーテンコールでは、ガッツポーズのシラグーザの隣で、笑顔で両手を合わせて謝意を表した後、オケに拍手を促すカサロヴァ。みんな個性があって面白いですね。

コメント

カサロヴァが新国立劇場で歌ったのですね?!私は彼女を生で聴いたことがないのです。きっと素晴らしいのでしょうね。CDで聴くと少し重めな声のような気がしますが、きっと声の伸びがいいのでしょうね。1回ぐらい新国にも行かないといけないですね・・・
は~い、そうなのです。重いとか、迫力あるとか、怖いとか(!)言われますけど、Liveはよかったですよ。
声の伸びがいい・・・それです、まさに言いたかったのは!ボキャ貧のAuthorを助けてくださってありがとうございます。
はじめまして。コメントありがとうございました。
今回は前々から豪華キャストということで期待していましたが、シラグーザしかりカサロヴァも流石の貫禄でしたね。原作のシンデレラの違いなどを思いながら、愉しく見ることが出来ました。
TB&コメントありがとうございます。公演、すばらしかったですね。
このチェネレントラは、ドン・マニフィコの歌や重唱をきいているだけで楽しいですね。まわりの席からも、思わず笑い声がもれていました。
こんばんは。
どの回も一様に評判のいい素敵なチェエレントラでしたね。
観劇していて思わず体が動きだしてしまうくらの爽快さ。
五感に響く楽しさでした。

カサロヴァのCD音源は、これは聴いてみなくてはなりませんね。
オクタヴィアンばっかりの私でしたが、ちょっと真剣に聴かなくては、と思ってます。
修善寺は予定にありませんので、来シーズンのオテロが本当に楽しみです。
カサロヴァのCD、ぜひご一聴ください。フィナーレのアリアも、すごく抑揚がついているパート(「友よ」の箇所など)がところどころありますが、聴けば聴くほどこれがないと物足りないくらいになる可能性大です(ちょっと演歌のこぶしみたい?)。
この公演では、可愛くて清楚なだけではないアンジェリーナがよく表現されてとてもよかったです。

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